中国に撮影で長期滞在していた時のこと。
そのトイレ事情には非常に悩まされた。
トイレットペーパーがトイレに設置されていない
まず日本から渡航した私はトイレ用に紙を持ち歩く習慣をもっていない。
また、中国生活では3食中華料理を食べるようになり、渡航直後はお腹を下しやすくなっていた。
そしてホテルや大型ショッピングモールのトイレに駆け込むことになる。
がそこにトイレットペーパーは置いていない。
日本の基準で考えると明らかに置いてそうな結構綺麗なショッピングモールやホテルだとしてもだ。
現地通訳の方に伺ったところ、「ペーパーを持ってないのか?」と。
というのも中国では公共のトイレに紙は置いていないので、常に携帯している人が多いのだ。
ちょっとした外出ならなくてもよいが、終日外に出ることが分かっている時は必須だろう。
周りにいた人にペーパーを頂き、なんとか事をすませる。
一度これを経験して以降、私も常にペーパーを持ち歩くようになった。
近くで買うことができればまだいい方だ。
買うことができず、周りに知人がいない場合などにおいてペーパー携帯は必須だ。
ホテルの部屋のトイレすら紙がない
なお、滞在しているホテルの部屋にはさすがにペーパーが設置されていた。
が!!清掃の方の気まぐれで日によってはペーパーがなく、困ることも多かった。
いざという時になくて困り、近くのスーパーに買いに行くことになる。
以降、ホテルの部屋にもペーパーの予備を置いておくようにした。
中国の方に聞くと、これもないのが当たり前らしい。
逆に私たち日本人はちょっと優遇されていて紙を置いてくれることがあるらしい。
洗面用、バスタオルも同じく、部屋に置いてあったりなかったり。
清掃員の気まぐれだ。
まぁこれは格安ホテルならではの問題で、一定以上のクラスのホテルに泊まった際には部屋に紙やタオルがないなどという事は全くなかった。
格安ホテルの場合は要注意だ。
トイレットペーパーは流せない
中国では他のアジア諸国と同じように水洗であってもトイレットペーパーを流せない。
水量が少ないため、排水管を詰まらせてしまうのだ。
私と一緒に中国に行った日本人は渡航後初日に早速トイレットペーパーをトイレに流してしまい、詰まらせていた。
本来は使用済のペーパーはトイレ内のゴミ箱に入れなければいけない。
ただどうにも生理的に受け付けない。
なのでかなり細かく複数回に分けて紙を水に流してみるとうまくペーパーを流すことができた。
少し面倒だが、詰まらせてしまうともっと面倒なことになる。
毎回、こまめに少しずつ流すことで数ヶ月に渡る滞在中一度もトイレを詰まらせることがなかった。
一方で、ほかの日本人は詰まらせる人が続出していた。
「トイレはどこですか?」中国語でトイレの場所を聞くには?
中国にしばらく滞在していると頻繁にトイレの場所を聞くことになる。
わりと最初の頃に覚える言葉がこれだろう。
「洗手间 在哪里?(シー ショウ ジィェン ザイナーリー)」
「厕所 在哪里?(ツェスォーザイ ナー リー)」
でトイレはどこですか?だ。
トイレは「洗手间(シー ショウ ジィェン)=お手洗い」もしくは「厕所(ツェスォー)=便所」。
どこですか?は「在哪里?(ザイナーリー)」
「在哪里?(ザイナーリー)」はトイレ以外でも使えるので便利。
質問しておきながら、中国語で返事をされても全く分からない。
ただ場所に関してはほぼ指差しで教えてくれるので問題ない。
一度覚えてしまえば頻繁に使える中国語だ。
扉がない、顔が見える、皆共用で衝撃のニーハオトイレ
さらに中国で最も驚いたのがニーハオトイレ。
上海や北京の中心部では最近少なくなってきたらしいが、少しでも郊外にでたり、古い建物だったりするとまだまだ多く存在している。
ホテルやショッピングモールだとさすがにないが、公衆トイレのようなトイレはいまだにニーハオトイレであることも。
上海や北京ですらそうなので、都心部じゃない場所はさらにいっぱいあるだろう。
ニーハオトイレはまず個室の扉がない、さらには隣の人の顔が見える。
さらにはトイレの溝が他の人と共用。
水を流すと他の人の排泄物が自分のところに、あるいは自分のものが他の人のところに流れることになる。
小だけではなく大もだ。
隣の人と仕切りがあればまだ良い方で、入るとただ一つの溝があるだけというトイレもあった。
溝だけがある一つの部屋に複数人が入って用を足すわけである。
想像できる通り、他の人に挨拶ができる状態なのでニーハオトイレと呼ばれている。
初めてニーハオトイレを案内された時は、生理的に受け付けずすぐに退室してしまった。
結局、トイレに行くのを我慢することに。
現地に住んでいる日本人の方は慣れている人もいたが信じられない。
よく使用していた場所のニーハオトイレはトイレ自体の扉もなかったので、前の道を通過するだけでトイレ内の人の姿が見えてしまう。
しかも用をたす人は入口に向かってしゃがむ形なのでトイレ外を通過する人に顔を見せる体勢だ。
これは女子も同様。
ちなみに撮影スタジオではTVドラマの女優さん達もこのニーハオトイレを使用していた。
信じられない。
普通に耐えられるのだろうかと思うレベルだが、中国ではまだまだわりと一般的なのかもしれない。
さらに信じられないことにはニーハオトイレはどこもかしこも掃除があまり行き届いていない。
建物に近づくだけでも異臭がしてくるひどさだ。
マスクなしではとても入れないレベルのトイレも多い。
中国に数ヶ月滞在した私は、毎日のようにニーハオトイレを目にすることになったが、それでもニーハオトイレだけは慣れず。
1度使うだけでかなり懲り懲りなのだが、ニーハオトイレしかないような場所に終日いることも多いので結局使わざるを得ない。
トイレ外から人の顔が見えると気まずいのでさっと前をとおりすぎるようにしたし、そもそもニーハオトイレにはできるだけ行かないようにするために体調管理に気をつけるようになった。
中国も段々と古い建物が壊され建て替えられているので徐々にニーハオトイレも減ってきているらしいが、完全になくなるのはまだまだ先だろう。
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