中国ではネットが一切見れない、使えない!?
数年前に中国に初渡航した時のこと。
空港に到着して早速、公共交通機関やホテルの事を調べようとした。
Wifiに接続し、ブラウザ(Google Chrome)を開こうとするが何も反応しない。
どうみてもWifiの電波は問題なかった。
念のため、違うWifiを利用したが、結果は同じ。
しかたがないので、地図を参照しようとGoogle Mapを開こうとするがやはり開けない。
さらにメールをチェックしようとGmailを開くが接続不可だ。
Gmailは便利で、他のメールサービスも含め、すべてのメールアドレスはGmailのみで管理できる。
が、何のメールも見ることができないという状況。
私は普段Gmail、を使っており、他のサーバーのアドレスもすべてGmailで受信、閲覧していたのでGmailが見れないのは致命的だ。
そう、当時の私は中国の規制に関して全く無知で、Googleに頼ってばかりだったことで連絡手段にかなりの支障をきたすこととなったのだ。
日本で当たり前のように使っているサービス、サイトは中国では当局の規制により見ることができない。
出版や放送とならんでネットの検閲は中国の社会統制で常に行われていて、新しいサービス、サイトを立ち上げても次から次へと規制されている。
Google、Google Maps、Gmail、Facebook、LINE、Youtube、Twitter、Vimeo、ニコニコ動画、Dropboxなどなどすべて利用不可である。
なお、香港、マカオは除かれている。
Safariブラウザは起動するが、検索ができない!? MAPは?
中国では規制によりGoogle Chromeは使えないことが判明。
しかたがなくSafariブラウザを利用することにした。
検索欄にキーワードを入れ、検索をスタートする、、、が検索不可だ。
そう、Safariブラウザの規定の検索エンジンがGoogleを採用していたからだった。
URLにYahoo!のアドレスを入力すると問題なく開いたので、Yahoo!で検索することにしたが動かない。
Yahoo!もGoogle検索エンジンを利用しているのだ。
直接URLにアドレスを入力するしかくらいしかできないとは、、、。
Wifiには接続できているのに全く不便極まりない。
いかに普段Googleに頼って生活をしているか思い知らされる。
地図を見ようとしてGoogle Mapは動かないが、iOS標準搭載のMAPなら機能した。
こうして地図に関してはなんとかなったが、結局調べものが全くできないし、メールが一切見れないままだった。
中国生活、ネットができなくても意外となんとかなる
しかたない。
短期だった中国滞在中はメールや検索を一切諦め、人との連絡はすべて国際電話もしくはSMSを使うことにした。
直近でメールする必要のある人には電話し、メールが見れないことを説明。
他にも誰かがメールしてきているかもしれないが、どうしようもない。
一切ネットを使わなくなって数日。
その間、仕事や連絡はすべて電話かSMS、普段の移動、生活などはネットを調べずアナログに足を運んで調べた。
意外にネットがなくてもなんとかなるものである。
昔はなかったものなのに。
いかに現代生活にネットが不可欠になっているかを思い知らされる。
しかし、、、中国には海外からの渡航者も多い。
皆が皆同じような状況なのだろうか?
そんなはずはない。
中国人も普通に皆インターネットを利用しているのは明らかだった。
どこにいってもWifiが使えるし、皆それを利用して何か調べたり連絡を取り合っている。
私だけ何もできていない、、、。
何か方法があるはずだろうと思ったが、そもそも何も調べることができないのだった・・・。
周りに聞ける日本人もいない。
中国を出た瞬間、Gmailを開くとやはり大量のメールが溜まっていた。
そして同時に中国のインターネット事情の解決方法について調べることにした。
この問題はVPNというものが解決してくれるとすぐに分かった。
よくよく見ると空港のWifiコーナーにもVPNの取扱について表示がされている。
そして中国渡航している日本人は皆VPNを普通に利用していたのだった。
私があまりにも無知だっただけである。
中国のインターネットをするためのVPNとは?
日本から中国渡航するにあたりVPNは必須。
VPNとは本来プライバシー保護のための技術であるのでそういう意味では日本でも十分に利用価値がある。
が、中国滞在においては規制されているサイトを日本と同じように使えるようになるツールでもあった。
ネットで検索をすると無料のVPNアプリ、アドレスが出てくる。
VPN自体は世界中にあり、無料のものから有料のものまで多数ある。
ただ、中国ではこのVPN自体が次々と規制、ブロックされているという状態である。
そのため、無料のものを試してみても繋がらない事が多い。
規制によってすでに使えなくなってしまっているのだ。
無料のVPNはもし繋がってもすぐ切断されてしまったりしてすごく不安定だ。
短期滞在なら十分だが、数ヶ月もの長期滞在においては無料VPNでは厳しいだろう。
中国に長期滞在する事になった私は、速度や安定性を考え、有料VPNに申し込むことにした。
実際、有料VPNでは速度も速く、安定してが利用できる。
無料VPNのように頻繁に切断されることもない。
私が選んだのはExpressVPN。
月々の支払いも可能だが半年、1年などの長期契約で少し安くなる。
私と同時期に中国に渡航している人にも自信を持ってオススメした。
中国人は皆どうやってWebサービスを利用しているのか?
ところで、中国人は皆どうしているのだろうか?
規制しても皆が皆VPNを利用して全てのサービスを利用しているのなら規制の意味がない。
実際現地の中国人はVPNを利用していない人も多く、私がYoutubeのリンクなどを送っても見れない人がかなり多い。
しかし、中国の人々は不便なのかというとそういうわけではない。
様々なWebサービスにおいて中国独自のサービスが展開されているからだ。
検索エンジンはGoogleではなくBaidu(百度)、YoutubeではなくYouku(优酷)、WhatsAppやLINEではなくWeChat(微信)、facebookではなくRenren(人人網)、TwitterではなくWeibo(微博)というほぼ同じようなサービスが中国内にはある。
それぞれのサービスがまたものすごく便利で、むしろ他の国の同一サービスよりも高機能だったりする。
だから中国国内だとこれで十分なのだ。
国外のことに目を向けない限り。
というのも、これらのサービスを使って中国内のサイトを開こうにも開けない事が多い。
それは規制によるものだ。
さらに中国人は英語がほぼできない。
結果、ほとんどの中国人は中国内で発生する情報しか得られないようになっているのである。
驚くような状況だが、私も数ヶ月間の滞在中はこれらのサービスをずっと利用する事になった。
日本の事を調べる場合はVPNを利用してGoogle、そして中国の事を調べるにはVPNを利用せずにBaidu(百度)を使った。
わざわざ検索エンジンBaiduを使用したのは、Googleでは中国独自のWebサイトが検索結果にひっかからないことも多かったからだ。
また、WeChatは生活の基盤にはなくてはならないほどの便利さであった。
中国生活においてWeChatはもはや必須だ。
VPN使用のデメリット
VPNは非常に便利だが、中国国内では不便になる点もある。
VPNを利用すると日本や他の国のサイトにアクセスすることはできるのだが、中国独自のWebサイトの多数にアクセスすることができないのだ。
それも特別怪しい規制されるようなサイトというわけではない。
中国の多くの通常のショップのサイトや個人サイトがVPNを使うとアクセスできない。
これはかなり不便だが仕方がない。
よって何かを調べようとする際、中国内のサイトへのアクセスにはVPNなし&Baidu使用、中国外のサイトへのアクセスにはVPN&Google使用ということになる。
中国内のことを調べるか、国外のことを調べるかでVPNと検索エンジンの使い分けをするというわけだ。
もちろんその都度VPNのON、OFFを切り替える必要がある。
非常に面倒だが仕方がない。
もう一つVPNにはデメリットがある。
VPNを利用すると若干スピードが遅くなってしまう。
有料VPNだと速いが、使わない時と比べるとどうしても遅く感じる。
これもどうしようもないだろう。
いずれにしても中国ではVPNは必須なのだから。
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