ルーブル美術館で混雑を避け最も効率的に観て周る方法

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ルーブル美術館の概要

ルーブル美術館は、年間800万人以上が訪れ、所蔵作品数が30万点以上ある世界最高峰の美術館である。

アメリカのメトロポリタン美術館やロシアのエルミタージュ美術館とともに世界三大美術館のひとつとしても数えられている。

パリの中心に位置し、もとはチュイルリー庭園とともに国王の宮殿であった建物がそのまま美術館に利用されているという歴史をも持ち、現在はフランスでもっとも多くの観光客が訪れるスポットとなっている。

ルーブル美術館の歴史

1190年頃、フィリップ2世が、パリを防御する為の要塞を築いたのがルーブル宮の始まりである。

しかし、城の周りは次第に込み入った街に取り囲まれるようになり、要塞の意味を失っていく。

要塞としての役割を終えたルーブル宮は、14世紀にシャルル5世によって、華やかな王宮に造り替えられ、フランス国王の住処となる。

1546年、フランソワ1世の頃に、ルネサンス様式の壮大な城に造り替えるよう計画されたが、フランソワ1世は翌年死去した為、改築は息子のアンリ2世に引き継がれる。

フランソワ1世が収集した、レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」を始めとする美術品は、現在ルーブル美術コレクションの中核になっている。

1682年、ルイ14世がルーヴル宮から、ヴェルサイユ宮へと住居を移すことを決めた。

王族が不在となったルーヴル宮は、芸術家たちの住居兼アトリエとして提供された。

その後、フランス革命下、ルイ16世が投獄され、ルーブル宮に所蔵されていた王室美術コレクションは私有財産ではなく、国有財産となった。

市民による美術コレクションの破壊や略奪を恐れた国民議会は、ルーブル宮の美術館化を推し進め、1793年に開館した。

開館当時のルーヴル美術館には、537点の絵画と、184点のその他の美術品が収蔵されていたが、その後ヨーロッパ中の美術館、博物館の作品、及び貴族の収集品などが運び込まれた。

現在のルーブル美術館には380000点以上の収蔵があり、35000点が常時展示されてる。

ガラスのピラミッド

多くの人が一度は写真やテレビで見たことがあるルーブル美術館のシンボル「ガラスのピラミッド」。

このピラミッドはミッテラン大統領時代に、ルーブル美術館を拡大する「グラン・ルーブル」計画の一環として、常に大混雑していたルーブル美術館の入り口をリニューアルすることになった際に建設された。

設計を担当したのは中国系のアメリカ人建築家のイオ・ミン・ペイ氏で、自然光が地下2階のエントランスまで差し込むように設計されている。

ルーブル美術館の構成

ルーブル美術館は4フロアにわたる広大な空間に計30万点を超える作品を所蔵している。

紀元前7000年までに遡る中近東の古代美術、古代エジプト美術、ヨーロッパ三大文明美術、中世から19世紀のヨーロッパ絵画、彫刻、そして全時代の工芸品、イスラム美術と時代も地域も幅広い作品をここで鑑賞することが出来る。

すべてのフロアの作品をじっくり見たいのであれば、1日で回ることは不可能であろう。

建物は地下1階から地上3階までの計4フロアでコの字型で構造されており、北のリシュリュー翼、東のシュリー翼、南のドノン翼と3つの入り口がある。

地下フロアでは彫刻作品、1階は古代美術、2階では工芸品とイタリア、フランスの絵画と古代美術が所蔵されており、最上階の3階には、14世紀以降のフランス、ドイツ、フランドル、オランダ絵画を鑑賞することが出来る。

ルーブル美術館で展示されている主な有名作品

  • ドノン翼

1階:ミロのヴィーナス、瀕死の奴隷(ミケランジェロ)

2階:モナ・リザ(レオナルド・ダ・ビンチ)、サモトラケのニケ、ナポレオン1世の戴冠式(ダヴィッド)、聖母子と幼き洗礼者ヨハネ(ラファエロ)、民衆を導く自由の女神(ドラクロワ)

  • リシュリュー翼

3階:レースを編む女(J.フェルメール)

  • シュリー翼

ダイヤのエースを持ついかさま師(G.ド・ラ・トゥール)

ルーブル三大至宝「モナ・リザ」、「サモトラケのニケ」、「ミロのヴィーナス」を始めとする有名作品はドノン翼に集中している。

特にドノン翼2階には三大至宝の内、2つの作品が展示されていることに加え、「ナポレオン1世の戴冠式」、「聖母子と幼き洗礼者ヨハネ」など、誰もが美術の教科書で目にしたことがある有名作品が展示されている為、最も混雑するエリアである。

ルーブル美術館の効率的な周り方

ルーブル美術館の混雑を避けるために、まず、開館時間からガイドツアーの団体客が入場して来る10時頃まで、特に平日が狙い目だ。

朝、開館と同時に入場し、有名作品を見た後に、館内をゆっくり周るのが良いだろう。

館内は、広く複雑である為、入場した時に無料館内マップを貰って、自分がいる場所を確認しながら進むとよい。

ルーブル美術館は広い為、有名作品以外の場所はそこまで混雑しない。

それ故に、入館後まず有名な作品を見て、その後ゆっくりとほかの作品を見るのが効率的である。

まず、「モナ・リザ」は9時10分頃から人が増え始める為、一番最初に向かいたい。

ナポレオンホールに入ったら、ドノン翼2階の「モナ・リザ」まで一気に進む。

その後、「ナポレオン1世の戴冠式」、「聖母子と幼き洗礼者ヨハネ」、「民衆を導く自由の女神等」などを順に周る。

「サモトラケのニケ」は2階と1階の間に展示されている。

この作品は下から見る方が迫力がある為、1階に降りる時に見上げるように鑑賞すると良い。

ドノン翼1階で「瀕死の奴隷」と「ミロのヴィーナス」を見れば、ルーブル三大至宝は制覇である。

その後はシュリー翼に移動して3階に上がり、「ダイヤのエースを持ついかさま師」、同階のリシュリュー翼で「レースを編む女」を鑑賞すれば、美術館内の主要な彫刻と絵画は押さえられたことになる。

その後はゆっくり見て周ることができるだろう。

夜間に訪れる場合は、他所に比べて早めに閉鎖される「ミロのヴィーナス」から周ることが肝心である。

アクセス方法と入場料

■開館時間

月曜、木曜、土曜、日曜9:00〜18:00

水曜、金曜9:00〜21:45

■料金

大人15ユーロ(ルーブル美術館とウジェーヌ・ドラクロワ美術館の常設展と全ての企画展にアクセス可能) 18歳未満無料

・10月から3月まで:毎月第1日曜日と7月14日は常設展を無料で開放

■休館日

火曜、1/1、5/1、12/25

■アクセス

メトロ1番線又は7番線 パレ・ロワイヤル=ミュゼ・デュ・ルーヴル駅(Palais-Royal Musee du Louvre)から徒歩1分

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